matomonitabetaiyoのブログ

ソーラー族の食読生活

2024年10-12月

 

わたしは、長いこと教育機関に居座ってしまっているので、1年の振り返りはなんとなく年度末(3月)というテンション。だからこの時期は、単純に1年のまとめというよりかは、年末感を楽しむに徹底しております。

毎年この季節には、今年のすきだった本まとめ、みたいなのを書いて!と言われるのですが、そういう理由もあってか、逃してしまっております。まぁ、どのタイミングで1年を区切ったとしても、年間でだいたい100冊以上は読んでいて、本に対して すき の感情が湧く沸点も低めなので、紹介しようとすると大量になって、めんどくさくなり出来ないという。はい、そうです、言い訳から入りました。

というわけで、とりあえず、10-12月の読書でよかった本を書き連ねます。

 

 

 

・群像 2025年1月号

自己愛的な変質者のレクイエム

ひとみ先生が離婚したと聞いてこの短編の意味がようやくわかる。ひとみ先生にこれ以上望むことはなにもない。ただただ、これからも、これってひとみの本音なの?それとも想像なの?いや・どっちにしたってなんでこんなに潔く書ききってくれるの!?ってこっちがドギマギしてしまいながら読み耽る経験が重ねられる事がしあわせです。ありがとうございます。

 

・10代からの文章レッスン

https://www.kawade.co.jp/sp/isbn/9784309617671/

とにかく何も言わずに著者一覧を見てほしい。わたくしの、だいすきな人たちばかりです。(もちろん、小沼さんが編集してるのもポイント高いのです)この本の良さは、中高生向けに書かれているということ。あの頃、何かモヤモヤしていて・でも、何をしたら良いかわからない自分に、そっと、買ってあげたい本です。

 

・それはただの偶然

植本一子さんエッセイ。植本さんの日記はこれまでもずっと読んでいて、そして、これからもずっと読んでいきたいなぁと思ってるんだけど、読み手として感じるのは、あきらかに日記よりエッセイの方が読みやすい、ということ。その読みやすさは、文型という意味ではなく、日常のヒリヒリ感というか「これ、読んでて良いのかな?」という感じが、日記よりもエッセイの方が薄まっている感じがあって、良いのです。また折を見て書きたいのですが、今年は、 とらきつねさんの 植本一子×滝口悠生×鳥羽和久『さびしさについて』刊行記念トーク や、cotogotobooksさんの 百瀬文さん×植本一子さん『なめらかな人』『愛は時間がかかる』特別対談 にもオンライン参加して、生まれて初めて、お話しする植本さんを見ました。それでその時に、なぜか、この人のことすっごく応援したいな・この人のこれからがもし(何かしらの形として)オープンにされるのならば、それを知っていきたいなって。それがわたしのためにも力になる気がするって思ったんです。でもそれは日記を読んでる時には思わなかった。といっても、わたし自身は直接お会いしたこともお話ししたことも全くないので、こんなことをここに書くのは失礼極まりないのですが。植本さんのエッセイはなんとなく、直接飲むとがつんとくるガムシロをジュースに入れて軽く2回混ぜたあと、みたいな感じです(謎感想)。

 

・わたくしがYES

涙がポロポロ出てしまう、切なさとさみしさが詰まった内容なのに、なぜか楽しさとか希望も感じる。セーラームーンを握りしめてみんなで叫ぼう、ムーンプリズムパワーメイクアップ!!赤とピンクのデザインが可愛くて、文字が大きいのもわたしポイント高いので堂々の推し本にいれ、まわりにも布教しております。多分読んでから1番布教している本な気がします。この気持ち、子どものころ集めてたシール帳を開くときみたいな気持ちなんだよなぁ。伝わる?伝わればいいな。

 

・わからなくても近くにいてよ

堀静香さんの本がとってもすきで、だから新刊が読めるのが、この上なく最高で、しあわせ!という、一庶民のわたしの気持ちが、いつか堀さんに伝わったらいいな〜というのもこの本の感想。わたしは堀さんのこと、天才だと思ってるけれど、堀さんが言うところの才能みたいなものはきっと違うんだろうなという・でもわたしは、今堀さんが世の中に出してくれているものに本当に助けられていますぜ〜と伝わったらいいな。じゃあ、なにがそんなにすきなのかというと、語彙力が足りないので上手くは伝えられないのが申し訳ないのですが。

ただ、堀さんの日記がすきで、それは多分、大前提としてわたしが、堀さんが持っている大胆さや正直さ・反対に、繊細さとか緻密さ(気持ちを細かく記述してくれてるところを指して緻密と書いております)に憧れているのがひとつ。それから、自分にも子どもがやってきてくれてから、その憧れの日記の内容に、わかりみ、みたいなものがこれまで以上に重なって、読むのが苦しくなるくらいすきなのです。わたしはたまに、じぶんの子どもについて、不思議に思ったり・尊く思ったり・近くに感じたり、遠くに感じたりするんですが、堀さんはそういうことを書いている気がする。これもいつか書きたいけれど、川上未映子さんの夏物語のサイン会の件には、頭がもげそうなくらい共感して、なんなら少し泣いた。堀さんが最初に暮らしレーベルから本を出版してくださったから、暮らしレーベルや百万年書房のファンになった、と言い切れるくらいすき。のんきに読んでるだけの読者が、頑張ってください!とか言いたくないけど、これからも読ませてもらえたら嬉しいな・と思っております。

 

・マイナーノートで

ほんとうのことなんてどこにもないんだろうけど、上野千鶴子という人のほんとうさ、みたいなものを覗かせてもらっている感じがして、こんなのエンタメとして消費してしまって良いんか!?という気持ちです。

 

・ショートケーキは背中から

くそぅ。なんでこんなに文章が上手いんだ。。。お腹がとてもすくのに、脅威の文章量と情報量でお腹いっぱいというお得な1冊。いますぐにでも、どこかに出かけたくなるような。なんかドラえもんの四次元ポケットみたいな本です(謎感想)。もうこの本に言うことはないほど、最高傑作なので、感想は短めで、すみません。

 

・生殖記

オチも含めてわたしにとっては絶対読むべきだった本。お子が新生児のとき、授乳の合間に睡眠時間を召喚してでも読み止まらなくて困った記憶。もう少し頭がクリアな状態でまた読み直したい。今年読んだ小説ではまちがいなく3本の指に入るし、男女関係なく読んでほしいです。

 

・日記の練習

くどうれいんさん!わたしは貴方が大好きだ!と叫びたい、叫ばせてくれ。何かと何かのあいだを漂ってしまう(場合によってはそれを書き記す事に恥ずかしさを感じるような)現象について、れいんさんに書かせたら右に出るものはないよなぁ・ぐぬぬ。この中で、婚姻届の話があるのですが、それはまさに、区役所にいたわたしの気持ちそのものが、書いてありました。わたしは、くどうさんみたいに正直に書けるのかなぁ、書きたいなぁと思わせてもらう。もう、めちゃくちゃに良かったぁ!と、喫茶店でKさんとお話しした思い出補正込みで選出。

 

・ニュワード ニューワールド 言葉をアップデートし、世界を再定義する

この本の良さはもうタイトルそのまんまです。こんな良本、全日本人の若者が読んだらいいんじゃない!?って正直、思ってます。パートナーに読んだ本の話をすることは少ないのですが、この本については軽く2時間くらいは語りました。わたしの知らなかったところで、今の日本のくるしさみたいなものを和らげようと、クリエイションしている人たちがたくさんいるのだな・と、知れた喜びも込みで選出です。

わたしのなかでは、やはり、共通言語(ある言葉を発してそれが意味通り伝わる経験)の存在が、社会の成り立ちの基盤にあると思っているので、今の社会に対してどう変化を求めていくか・新しい言語や定義を勉強していこうぜ!の二本立ての構成が素晴らしいと思います。そう・だから、タイトルどおり。

 

 

・酒をやめられない文学研究者とタバコがやめられない精神科医の往復書簡

はい、出ました往復書簡大好き芸人の登場です。往復書簡の、なんというか、思っても見なかったところでこんなこと書いちゃった・みたいな空気感とか、行間から伝わってくる雰囲気みたいなのを想像しながら読むのがたまらなくすきでして、この本はそれが詰まりに詰まっていて、たまらん!でした。すきな本にランキングなんかつけたくないけど、これは読んでよかった本ランキングだったらベスト3に入りますね(安全に狂う方法と合わせて読むことをオススメします)。

 

・ロイヤル日記

ロイヤルホストラバーなので、この本を日記屋月日のSNSで見かけて買わない選択肢はなかった。そうして、とってもとってもとっても良かった。こういう創作物がひとつでもじぶんが残せたら良いのになって思いました。今年は出産で秋パフェ食べ損ねたことをいまだに引きずっていたのですが、この本を読んで、まだ未開拓のグランドメニューやロイホの店舗があるじゃないか!と前を向けそうです。

 

・友だちになるかは迷った

わたしは往復書簡大好き芸人なのでこういう形の交換日記も大好物です。葉山さんが、怒りのワークショップというセッションで書かれていた内容がほんとうにピンポイントでぐさっと刺さったので選出です。

 

・好きな食べ物がみつからない

このはてなブログで書きたかったような内容を先行して書かれた感じがあって、ぐぬぬ、と。でも、そうそうそうそう、わたしってこういうのがすきなんだよね〜というまさに推し本。古賀さんって本当に日常のことを書く天才なんだと思う。本当に天才。生活の中でどうしても頭硬くなるような思考回路に落ち込む人間なので、古賀さんの文章を読んでいるだけで、体が軽くなって楽しくなるようなそんな気分になるし、こういう生活を送りたいなという憧れを持ち続けています。目指せ、古賀さん!!ということで、わたしも気落ちせずに、ぼちぼちこのブログをかきながら、まともに食べる生活を手に入れたいと思います。

cotogotobooksさんでお餅付きの限定盤を購入したら、まさかの本も名前付きのサインで、家で飛び上がって喜んだ年末でした。この本で今年を〆られるしあわせ。抱きしめていこう!

 

 

 

 

まだ積読があるにはあるのですが、子育てしていても、歩き回らない赤子のうちは、案外本が読めるなぁって・嬉しい誤算の3ヶ月でした。クリスマスにサンタクロースが図書館をくれたので、年明けまた積み本を買いに出かけたいと思います。

 

みんなが読んだ本もありましたか〜?ぜひ、同じものを見つけたら語らいましょう〜!!!それからみんなの最近の推し本も教えてくださいね〜